懸垂はごまかしが効かない
筋トレをしていると、必ず聞かれる定番の質問がある。
「ベンチプレス何キロ挙がるんですか?」とか「スクワット何回いけますか?」とか。
でもな、ベルが一番聞きたいのはこれだ。
「お前、懸垂は何回できる?」
なぜなら懸垂は、逃げ場のないシンプルな勝負だから。
バーにぶら下がり、自分の体重をそのまま引き上げられるかどうか。
上がるか、落ちるか。補助もズルも効かない。
筋トレの中で最も「実力が丸裸になる種目」だと思っている。
初めて懸垂に挑んだ日のこと
ベルが初めて懸垂に挑んだのは、社会人になってすぐの頃。
当時は筋トレを始めたばかりで、「背中は懸垂が最強らしい」とどこかで聞きかじっていた。
ジムの片隅に懸垂バーがあった。
「これくらいはできるだろ」と軽く考えてバーに飛びついた。
結果はどうだったか?
ぶら下がった瞬間に前腕がパンパン、体は一切上がらない。
1センチも動かない。顔は真っ赤、腕はプルプル、手は汗で滑りそう。
気づけば、後ろで順番待ちしてる兄ちゃんがいた。
「あ、この人絶対『コイツできねぇのかよ』って思ってるな」
その視線が突き刺さる。結局その日は1回もできずに鉄棒から降りた。
ベルはあの日ほど「穴があったら入りたい」と思ったことはない。
それ以来、懸垂バーを見るのが怖くなった。
ジムに行っても、バーの前は素通り。
「今日は胸の日だから」とか「デッドリフト優先」とか言い訳ばかり。
でも心のどこかでずっと引っかかっていた。
「いつか必ず懸垂できるようになってやる」
1回から10回までの壁
懸垂って、1回できるかできないかで世界が変わる。
ゼロから1回は地獄のように遠い。
でも1回できたら嬉しくて何度も挑戦したくなる。
ただし、そこから10回までがまた地獄だ。
- 3回、5回までは腕と勢いでなんとかなる
- 8回、9回になると握力が死に、フォームが崩れる
- 「あと1回」がどうしても遠い
つまり懸垂10回は、筋力・フォーム・呼吸・体重管理…
全部が揃わないと到達できない数字なんだ。
なぜ“10回”なのか?
筋トレ界隈では「自重で10回」が一つの基準になっている。
懸垂10回をクリアした人は「背中を鍛えてます」と胸を張れる。
逆に言えば10回できないなら、まだ“背中トレ初心者”。
- ベンチプレス → 体重と同じ重量を10回
- 懸垂 → 自重で10回
10回を目標にするのは、ただの目安じゃない。
筋トレの“通過儀礼”みたいなもんだ。
ベルが懸垂10回にこだわる理由
ベルは30代、パパ業歴2年。
子どもが生まれてからは、時間も体力も一気になくなった。
それでも筋トレはやめられない。
むしろ「限られた時間で結果を出すには何をすべきか?」を考えるようになった。
そこでたどり着いたのが懸垂だ。
器具もほぼいらない。自宅や公園でもできる。
背中・腕を一気に鍛えられる効率の良さは、子育てパパにはうってつけだった。
そしてもう一つ。
ベルは子どもを肩車したときに「パパの背中でかっ!」って思われたいんだ。
頼れる背中、強い背中。
その象徴が「懸垂10回」だと思っている。
読者へのメッセージ
「懸垂なんて1回もできない」
そう思った人も安心してほしい。
ベルも同じだったし、ジムで赤っ恥もかいた。
でもゼロから10回に到達する過程こそが財産だ。
筋肉だけじゃなくメンタルも鍛えられる。
「昨日より今日、今日より明日」って積み上げが、必ず結果になる。
懸垂10回はゴールじゃない。
だけど、その挑戦はあなたの背中も人生も確実に変えていく。
ベルと一緒に、10回を目指そう。
次回は「正しいフォームを知らないと一生伸びない」というテーマでいこうと思う。
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